「用の美」で考える住まい・建築・インテリアデザイン

「 用の美 」とは民藝運動を興した美術研究家・思想家でもある柳宗悦(1889-1961)が著書 『工藝の道』 の中で語ったもので、器が芸術品として意識されすぎるあまり形の美にばかりとらわれ用いられることが二の次にされていることに対して、用いられることを前提に無名の職人が造る民衆の日常品の中にこそ美しさがある…というような内容で、現代でも工芸の世界では使うことを前提に創られた器や道具などに自然と生まれる温かみのある美しさ…といった意味で使われています。

住まい・建築・インテリアも人をいれる器の最たるものとしてとらえ、「芸術作品」としてではなく「用の美」を備えるべきものとして、私なりの解釈と言葉遊びの中で、日々こんなことを考えながら仕事をしています。

- 用の美 ---

用いる事に足る機能性は満たされていますか?
住宅でいえば、生活習慣は十人十色です。家族ひとり々の一日の所作・動線、一週間、一年の行動を知ることから始めます。

- 要の美 ---

要は要望の要…夢は実現されていますか?
家をたてるならこうしたい、ああしたいという夢や希望が必ずあるはずです。どんな「夢」のようなことでもとりあえず実現できないか考えてみます。

- 容の美 ---

用と要を満たすために「容積=スペースと資金」のバランスはとれていますか?
敷地が広くて制限もなく資金と時間が無限にあればほとんどのことは形にできると思っていますが、現実にはありえないことです。スペースが有効に配分されているか、どこに資金を使う事が一番ベターなのかを整理します。

- 酔うの美 ---

楽しんでいますか?
家を建てることはものすごくエネルギーがいることで大変です…が、一生に一度あるかないかの大事です。どうせなら楽しんでほしいです。また私自身も楽しくないと絶対に喜んでもらえるような結果にはならないので、楽しむことを心掛けています。

用・要・容・酔うを満たすこと。また建築はディテールが最終的にグレードを決めるように感じます。細部まで目の「活き」とどいた、住まい・建築・インテリアをプランしデザインしコーディネートして形にしていくことを本分としています。

大塩の略歴を見る
このページのトップに戻る